射駒タケシが語る「やんちゃブギ」誕生秘話!廃刊危機からの逆転劇とは? (2/3)
ベテランライターに学ぶ語彙の増やし方
これで射駒さんのような文章が書けるかも!採用されてすぐライターデビューされたんですか?
漫画雑誌だったので、ライターではなくパチスロ漫画の出目やリーチ目をチェックしてました。当時は漫画家でパチスロを打つ人がほとんどいなかったんですよ。
技術監修のような感じですね。
そうですね。月に1回編集部に行って、「このリーチ目は出ないですよ」とか「このシーンはこういう出目を使った方がいいんじゃないですか?」って言って2~3万円もらってました。
その時「射駒タケシ」という名前は出てたんですか?
出てなかったです。僕も色んなホールに行ってたので、顔を出すのは絶対に嫌やったんですよね。
でもたしか2号目を出した時に死ぬほど売れなくて、編集長と飲みに行った時に「これはヤバイ。次で潰れるかもしれない」って話をされたんです。僕は関係ないんで気軽な感じで返してたら、「タケシで最後に漫画をやってみたい」って言われたんですよ。
そこで漫画の話が出たんですね。
今だと嬉しいと思う人が多いかもしれないけど、僕はすごい嫌でしたね。ライターとして表に出てないのにいきなり漫画に出たら「誰やねん?」ってなるじゃないですか。
だから「そんな漫画、人気出ないんじゃないですか?」って言ったんですけど、「いや。俺は最後にそういうのをやりたい」と。当時は実在する人物を漫画にすることがなかったんですよね。
今はむしろそれが主流ですよね。
そうですね。それで編集長も「最後の賭けや!」みたいな感じだったので仕方なくやりました。
それで第1号が創刊されて半年後くらいに漫画の第1回が載ったんですけど、反響がすごかったんですよ。
当時はまだネットがそんなに確立されてなくて、読者からから来るのはハガキがメインだったんですけど、それまで20枚程度だったのがその10倍、200~300枚くらいになりました。
そこには漫画の感想とかが書かれてるんですか?
そうですね。「どうせ1~2回で終わるわ」って思ってたのに、そこから雑誌がブワっと売れました。
廃刊危機からの大逆転だったんですねそこから長く続いていくんですね。その後は本格的にライターにシフトしていかれたんですか?
そうですね。その1年後くらい、まだパチンコ・パチスロの専門チャンネルがなかった時代に、MONDOの人に声をかけてもらって旅打ちを始めました。その時に「あれ?めっちゃライターになってるな」と思いましたね。
30代まで流されるままにやってたんですけど、ホールでも色んな人と普通に喋るので仲良くなることも多くて、その繋がりでバンドを組んだり、舞台をやってたりもしてました。
やんちゃブギの中にもそういう話がありましたね。
はい。20代の頃って何になりたいとか本当になかったんですよ。でもライターしつつ、色々やって毎日楽しかったですね。充実してたしパチスロも良い時代やったんで、何の不自由もなかったです。
ただ30歳くらいになるとAT機や「大花火」とかの大量獲得機の時代になって、業界がすごい盛り上がってきたんです。ライターも気づいたらすごい増えてて、必勝本では先駆けっていう立場だったので「ライターとしてもっと責任を持って1文字1文字書いていこう」と思って勉強しました。
それまで特に書く勉強はされてなかったんですか?
もう勢いだけで書いてました。だから今は絶対に世に出したくないですね。見たくないです。
すごく勉強されたそうですそうなんですね(笑)。ちなみにどのような勉強法でしたか?
月に1度、古本屋に行って100円で売ってる色んな小説を30~50冊くらいまとめて買うんですよ。それをバーっと軽く読んで「あ、この人の文章いいな。好きやな」って取捨選択していって、最後に残った3人くらいの文章を勉強したりしました。
その量を読むだけでも変化がありそうですね。
変わりますね。比喩表現だったり、枕詞であったり、言葉の引き出しが増えます。
それは動画のトークでも活きますか?
もちろんそれも変わりますね。全然違います。
僕、取材前にアジトで「大阪ストラグル」の1部を読みました。
ありがとうございます!
これを小説家ではなくパチスロライターさんが書いてるのがすごいですね。
めっちゃ嬉しいです。
これは初めて言うんですけど、そこら辺の雑誌とかなんでもいいので、パーっとめくって気になる文字や言葉遣いをメモるんです。文章を書いてる時に表現がパッと出ない時は、それを見て使えそうなのを探しますね。
それはずっと続けられてるんですか?
そうですね。頭良くないんで、書いておかないと忘れちゃうんですよ。
努力の積み重ねなんですねそういうストックが役に立つんですね。僕も記事を書くので参考になります。
書くのって面白いですよね。
面白いです。ただバリエーションに困ったりしますね。
そうなんですよね。僕がそういう時によくやるのは、ネットで類語や同義語を探して、使いやすいのをちょこちょこ拾っていくんです。
頭の良い人や昔から本を読んでて言葉をいっぱい知ってる人やったらそんなことしなくてもいいんですけど、僕はそうじゃなかったので、気になった時に調べて自分の引き出しに入れていってる感じですね。
いつも悩みながらやってるので、早速やってみようと思います。
言葉ってそうですよね。それこそ小説家も今はネットで調べられますけど、昔は辞書を引きながら書いてる人もいっぱいいたので一緒ですね。
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