【Pとある魔術の禁書目録 開発者インタビュー前半】神スペック誕生秘話！役物がペラペラになった理由も直接聞いてみた (3/3)

何故役物がペラペラになったのか？直接聞いてみた！

では次に筐体や役物関連について伺いたいと思います。

先ほど実機を見た時に想像以上のインパクトに驚いたんですが、筐体をデザインする時に派手にいこうという方向性が最初からあったんですか？

最初からありました。

ホールでユーザーさんに機械を見つけてもらえないのを避けるというのが最大の理由です。島端からでも「あ、あそこにとある置いてあるじゃん」とわかるようなデザインにしたかったんですね。

それと、初めて遊技機化されるので「とある魔術の禁書目録」というパチンコ台をユーザーに印象付けたいという思いもあり、あの筐体が生まれました。

やっぱり開発サイドとしては他の台に埋もれてしまうのを避けたいですか？

そうですね。

どんな店舗でも「あ、あそこにあるじゃん」とすぐに発見できることが大事だと思っています。

この筐体だと島端からでもすぐに見つかりますよね(笑)

筐体関連では右側にタッチセンサーの「幻想殺し(イマジンブレイカー)デバイス」が搭載されていますよね。「幻想殺し(イマジンブレイカー)デバイス」のようなユーザー参加系のデバイスはどんなコンセプトで開発したのでしょうか？

「とある」でパチンコを作るとなった時に「パチンコでしかできない体感」を加えたいなという考えがありました。そこで「幻想殺し(イマジンブレイカー)」を何とか具現化し、それを1番気持ちいいところで体感させるというコンセプトで筐体設計が始まり、開発初期から実装する形で動いていました。

上条さんの右手にあるのが「幻想殺し(イマジンブレイカー)」なので、それこそリングみたいに手自体をデバイスや役物にするっていう案はさすがに無かったですか？

いや～…(笑)

ありました(笑)

様々なデザイン案が出た中で、例えば役物だとリングっぽい手が落下してくるものや、「Pリング 呪いの7日間2」のように手自体をデバイスにする案もありましたが、どう考えてもカッコ良くないんですよね。

リングは驚かす系だから手がマッチしていると思いますが、上条君の右手がピョーンっと出てきたりとかしても嬉しくないなって気付いてバッサリ捨てましたね(笑)

確かにカッコ良くはないですよね(笑)

そうなんです。あれはもうリングだけの特権ですね。

ちなみに、「幻想殺し(イマジンブレイカー)」は上条さんの右手に付いているのであのデバイスは右手で触るのが正解かなと思ったんですが、右手と左手どっちで触るのが正解なんでしょうか？

右手です。

基本的には右手でタッチしていただきたいですが、どうしても右打ち中とかでハンドルをずっと握って打たれる方もいらっしゃると思いますので、そういうユーザーのために左手でも触れるような配慮をした設計になっていますよ。

「幻想殺し(イマジンブレイカー)」ですし、基本的には右手で触った方がいいよってことですね。

それが礼儀です！右だとちょっと触りづらいですが…(笑)

なるほど(笑)

そういえば、役物関連でどうしても聞いておかないといけないことがあるんです。試打動画が出た時にちょっと思ってしまったんですが…。

あー(笑)

演出めちゃめちゃカッコ良くて筐体も「幻想殺し(イマジンブレイカー)デバイス」も作り込まれているなと思うんですが、キャラクター役物っていうんですかね？あれを見た時に「おや？」と…。

どういうコンセプトであの役物になったのか是非聞いてみたいなと思いまして。

それの責任者は私なんです(笑)

紆余曲折あったんですが、「とある魔術の禁書目録」っていう作品に例えばRAVEでいう聖剣のような象徴となるアイテムがほとんどなかったんですよ。

上条さんは右手パンチが唯一の武器ですし、神裂さんの七天七刀とかはちょっと違いますもんね。

なんなら、「幻想殺し(イマジンブレイカー)デバイス」にも使われている魔法陣ですら原作にはほとんど出てこないんです。

模索していく中、この作品の何が1番魅力なのかとファンの方に聞いていくと、キャラクターが1番の魅力だという声が多かったんです。そこでキャラクターと演出をリンクさせ、リンクした時にギミックも連動させようと思いキャラクターを役物として採用することになりました。

結果、ペラペラになってしまい期待してたファンには申し訳ない…でも実際打ったら印象は変わると思います！

なるほど、そんな経緯があったんですね。

前評判ではそうかもしれないですが、実際に打ってキャラクターと演出と役物の絡みを楽しんでもらえたらうれしいなと思います。

例えば美琴が超電磁砲打つ時によく分からない謎の役物がガチャーンと出てくるよりは、多少ペラペラでもキャラクター性が押し出されていいんじゃないかなとは思っています。

「とあるシリーズ」といえばキャラクター人気がすごくてスピンオフ作品もたくさん出ていますし、特に御坂美琴なんてすごい人気ですよね。

そうですね。やっぱりキャラクター人気は無視できませんした。

上条さんの「竜王の顎(ドラゴンストライク)」とかを使って竜がうわーっと出てきたらカッコいいのかもしれないですけど、じゃあそれが「とある」のメイン役物なのかって言われると違うよねとなりましたね。

それこそ「幻想殺し(イマジンブレイカー)」の右手を使うしかないってことですね(笑)

はい(笑)

ペラペラと話題になっていた役物については聞いておかなければいけないという使命感で恐る恐る質問してみましたが、快く裏側をお話ししてくださいました！たしかに「とある」と言えばのアイテムって思い浮かばないですよね。もし「右手」が役物になっていたら、それはそれでザワついていたと思うので、結果的にキャラクター役物でよかったのかなと思います。

原作ライトノベルを全て読んでいるガチファンの僕自信が実際に試打もして大満足の仕上がりだったので、原作ファンの方もそうじゃない方も是非ホールで打っていただければ楽しめるはずです！

後半では開発者さんのこだわりが凝縮された「ヒロインST」や、「とある」の世界観が再現された演出関連の秘密に迫ります！