やべえ打ち方する隣人の攻略法【あしのの業界人コラム#1】
令和某日。昼下がりだった。スマホの着信を告げるバイブレーション。さては家賃の催促だなと舌打ちし、受話口を耳にあてる。
「──もしもし?」
「もしもし、あしの君? POKKA吉田です」
「あ! POKKAさん。ご無沙汰してます……!」
「突然やけどさ、今度『ななプレス』なる媒体が出来るんやけど、あしの君そこで何か書いてみる?」
「え……。いいんですか? やりたいッス」
「ええよ。じゃあそういう風に言っとくから。よろしくゥ」
「ちょ──。POKKAさん。POKKAさ……」
ツー、ツー、ツー……。
……ななプレスをご覧の皆様。はじめまして。あしのと申します。当方、浅草在住のサブカルライターです。好物は寿司とポークソテー。パチスロを打ち始めたのは1999年とかその辺で、生涯ベスト3の名機は「エコトーフ」「スーパーリノ」「ハードボイルド2」です。
2011年頃に暇つぶしで始めた「5スロで稼げるか?」というブログが縁でパチンコ・パチスロ系のお仕事をちょくちょくやらせて頂いておりますが、去年末までの本業は電器屋でした。シャセーッ! シャセーッ! って死ぬほど言ってました。で、母親からの電話に「シャセッ!」と応答してしまったのを機に独立。
したのは良いけれど。
後先考えずにカジュアルなノリで辞めたので一瞬で家計がヤバくなり、結果、現在は「真っ当な四十男の生活」が全然出来てない有様です。さっきなんか嫁からタバコ銭借りましたし。俺は男として非常に情けない。恥ずかしい。……なので、こういうお仕事はマジで有り難いです。当分はPOKKAさんに足向けて寝れません。ジーク!敬礼!原稿料でタバコカートン買いします! へへ!
と、自己紹介はこんな感じでしょうか。
なんとなく文章のノリで分かるかと思いますが、自分はあんまりガチガチに攻略! とか業界向け! とかではなく、ライト寄りのユーザーさんに向けて「もっとパチンコ・パチスロが好きになるような読み物」を提供する立ち位置だと思ってます。
こちらの連載でも何を書かせていただこうかかなり悩んだのですが、あんまり慣れない事をやってもしょっぱい結果になるだけなので、普段通り、慣れた感じでやりたいと思います。
できれば皆が笑えて、共感できるような出来事を──。朝並びの最中なんかに読んで、くすっと笑って頂けるような読み物を、提供出来ればこれ幸いです。
というわけで行ってみましょう。今回は「やべえ打ち方する隣人の攻略法」について。どうぞ。
●まずは「やべえ打ち方」を類型化してみる。
一口に「やべえ打ち方」と言っても色々あります。自分もホールに通い初めて20年以上になりますが、「貧乏ゆすり」とか「液晶を撫でる」とかはそれこそ1000人くらいは遭遇してると思います。この辺はもうドラクエ3でいうと「キャタピラー」くらいの危険度なので何てことはありません。いざないの洞窟レベル。聖なるナイフがあれば一撃です。
ちょっとレベルが上がると「ドル箱シェイク」「咥えタバコ」なんかが該当します。
ドル箱シェイクに関しては時代によっては是なのですが、メダル同士が擦れて体に悪い毒粉が発生しそうですし、今の時代は「そんなギンギンに詰め込まなくて別にいいよね」的な意味でも、やべえ打ち方と言って差し支えなしと判断しました。強さは「あばれザル」くらいかな。仲間呼ぶんですよねアイツ。
「咥えタバコ」は、これはもう色んな意味でアウトですね。空調の向きによっては「それ完全に俺の方がニコチン摂取量高いよね」くらい副流煙を吸いまくる事になるんで注意です。ドラクエ3で言うと「じごくのハサミ」くらいの危険度かもしれません。スクルト使われると面倒なので最優先で倒しましょう。ヒャドの通りがいいです。
さらにレベルを上げると「やべえ打ち方」を代表する強敵「台パン」が出てきます。うるさいし怖いし器物破損だし。まさしく走攻守を兼ね備えた迷惑行為の代表格。明らかに怖そうなお兄ちゃんがバンバン叩いてるのも大概怖いですが、アキバの某店でアニメプリントのシャツ着た大木凡人みたいな髪型のあんちゃんが「マジハロ3」をシバいてる横に着座した時は、言いようのない恐怖に襲われました。ドラクエ3で言うとなんだろう。「うごくせきぞう」かな。痛恨の一撃ブッパしてくるし。
んで個人的には「やべえ打ち方」の中で最強なのが「奇声を上げながら打つ」だと思います。そんなヤツいねぇよと思われるかもしれませんが、全然います。多分俺10人以上遭遇してます。足立区の某店で『鉄拳2nd』打ってる時、隣で『スナイパイ』打ってるオヤジがずっと「クソがァ! クソゥがァ!」って叫びながら打ってましたし。これには店員さんも苦笑い。いやまあ注意しようがないのは分かるけども、クソ怖かったッス。
あと今これ書きながら思い出しましたけど、一昨年かな? 大阪で1パチ打ってたら、お隣がリーチ外す度に、「なんでやネェェエン!! なんでなんやァァァッ!!」と、関西弁の藤原竜也みたいな台詞を絶叫してて、あれはちょっと笑っちゃいました。見た目も可愛いおじいちゃんでしたし。前歯無かったですけど。何にせよ最強の敵ですね。
と。
とりあえず纏めると「やべえ打ち方」のレベル的にはこんな感じになります。
低レベル
↓「貧乏ゆすり」「液晶を撫でる」
↓「ドル箱シェイク」「咥えタバコ」
↓「台パン」
↓「奇声」
高レベル
よし。オッケー。じゃあコレを次章で各個撃破していきましょう! 大丈夫! ファげふんげふん通の攻略本だよ!
●ケース別「やべえ打ち方」攻略法!
まずは「貧乏ゆすり」ですが、自分はこれ、ゆすりのリズムに併せて脳内でちょうどいいスピードの曲を再生させてます。そしたらメトロノームみたいで全然気にならなくなります(マジ)
おすすめは"Slayer"の『Angel of Death』か、あるいは"DEEP PURPLE"の『BURN』も大体合います。隣の貧乏ゆすりに腹たって来たら試してみてください。音楽さえあれば、人生はいつでもライブ・ハウスさ!イエーイ!
次!「液晶を撫でる」の攻略法。これ地味にサニティゲージが削られる精神攻撃なんですけども、めっちゃ簡単な攻略法があります。「片目をつぶる」がそれです。人間の視野角は両目で約120度。ですが片目だと約90度程度になります。しかも撫でてる人側の目を閉じた場合、逆サイドの視野は鼻の稜線が邪魔をして約60度ほどになると言われております。隣の台なんかまず見えないので、大丈夫。そっちの先は何にもない世界です。これにて解決! 存分に撫でれ撫でれ!
次ィ!「ドル箱シェイク」の攻略法。自分がホントにやったことあるのは「こっちもシェイクしはじめる」です。一時的に冥府魔道に堕ちる事にはなりますが、カウンター気味に決まったら「あ、ドル箱シェイクってそう言えば今日日だれもやってねぇな」って気づいてもらえます。「横でやられると腹立つんだな」というのも分かって貰えれば花マル。しつけ完了。ホールに平和が訪れます。ただ、今の所は成功率1/2です。1回は辞めてくれましたが、2回目はドル箱シェイカーがシマに2人になっただけでした。より有効な対策の開発が急がれます。
つぎ。咥えタバコ。これはライターさんの中でも「直接言う」という方が結構いらっしゃいます。その通りで、直接注意が一番有効かと思うのですが、やっぱり喧嘩になったらイヤなんで自分なんかはより消極的解決策として「こっちも咥えタバコでプレイする」というカウンター戦法で対抗したことがあります。ただ、前述のドル箱シェイクと同じで、これも失敗するとシマに咥えタバコプレイヤーが2人存在する超迷惑空間が展開される事になりますし、なにより「紙巻きタバコを装備してる人」のみが使える戦法であるという弱点があります。オマケに風向きによっては全然関係ない人が被害を受けるハメになるので、いつでも使える訳ではありません。何か良い案はないか──。
あるんです(笑顔)
実は喫煙者ならば誰しも食らったことがある超簡単攻略法があります。それが「扇ぐ」というもの。直接言わずとも「扇ぐ」だけで「あ、臭いんだ。ごめんなさい」となりますし、また直接言うのが怖い人も扇ぐだけなら何とかなります。扇がれたからっつって喧嘩腰で文句言ってくる人とかはもうチンパンジーなんで市民権剥奪です。でもあんまりオーバーアクションでガンガン扇ぐとちょっと怖いかも知れないので、控えめに……。控えめに……。そよそよとね。扇いでください。
実際自分も何度か扇がれてますし、結果としていまは着座状態でのタバコ自体を自分に禁じています。これはもう扇いだ人の完全勝利。その節はお世話になりました。ありがとう扇いでくれた人──! 多謝!
さあ次!難易度が上がります。「台パン」です。
今もう都内じゃほぼ見かけなくなってる絶滅危惧種なのですが、ゼロじゃないんですよね。たまにいます。なんでそんなレアリティが高くなってるかというとやっぱ「迷惑行為である」というのが浸透してきた結果だと思いますし、ホールとはいえ令和のこのご時世、民度も相応に上がっておるのです。
だのに。だのにまだ台パンしてる人って完全にイカれてます。見た目普通でもブレインに深刻なトラブルを抱えている可能性もまあまあありますし、下手に攻略しようと思ったら危ないッス。三十六計逃げるに如かず。ここは伝説の呪文を唱えてください。以下に記しとくので何かあった時の為に暗記しとくのも良いと思います。
「あ、ちょ。店員さん。店員さん。すんません。あそこの○○○番台の人、台をすっげえ勢いでバンバンやってておっかないンスよ。申し訳ないですけど注意してくれませんかねぇ……。あいや、いま駄目ッス。いま駄目。今注意したら俺がチクったってバレちゃうんで、俺が席に戻って10分くらいしたらで。まじすいません。ごめんなさい。いやいやいや、俺に報告とか別にいいッスから。チクったってバレちゃうとアレなんで勘弁してください。サーセン。サーセン。どうも。サーセン」
以上だ。
さあ次。「奇声をあげながら打つ」人。これは上の方で「最強の敵」って書いちゃいましたが、ちょっと語弊がありました。「最強」というのはあくまで「一番強い」という意味であって、「倒せる前提」の単語なんですよね。奇声あげながら打つ人は無理。倒せないッス。てか敵ですらないかもしれない。「地形」とかそんな感じ。「グラディウス」で山にレーザーとかミサイル当てても壊れないじゃないですか。だからもう奇声の人はそれ。地形。絶叫が聞こえてくる地形の横で打ってると思って自分を騙すしかありません。しかし、その地形は時限式の消滅フラグがしっかり存在しておるから大丈夫。いくらなんでもそういう人は閉店まで打たないだろうし。お金なくなったら消滅すると思います。はいピンフ!
なので結論、「奇声あげがら打つ人」への対策は「我慢する」になる。全然攻略してねぇ!
●今週のまとめ。
へへ。書ききったぜ。どう考えても途中のドラクエのくだり要らんかったけどなぁ!
以上。
途中から自分でも一体何を書いてるのかよく分かんなくなったけど、自分は普段、こんな感じの「ユーザー向けの緩い記事」を書いてます。合う人もいるでしょうし、合わない方ももちろんいて当然だと思いますが、なるべく最大公約数の方に「ななプレスって面白い読み物があるサイトだなぁ」と思って頂けるよう頑張りますので、どうぞお見知りおきくださいまし。
以上。あしのでした。チャオ!
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