5号機の客はどこに流れたのか?順調に進む旧規則機撤去の動向を解説

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タイミングとしては旧規則機のことを

 

本稿を書いているのは2月21日の正午過ぎくらい。さまざまな混乱を見せたが日本人選手たちが大活躍した北京五輪も終わったタイミングだ。

 

ぱちんこ業界としては、1月末に多くの旧規則機の経過措置が切れるということで、撤去の完遂が重要命題となっていた。同月の全日遊連の理事会での警察庁の保安課長の講話でも、その点について最も強く触れている。なお、この時点で警察庁の評価としては警察庁の想定よりも撤去の進捗は良いので残りラストも頑張ってくれ、という内容である。

 

ただ、ご存じの方も多いと思うが、2月に入っても旧規則機が残っている地域はある。これは経過措置の期限が異なることが理由だ。それでも2月の後半となると旧規則機がどんどんなくなっているのは事実であり、業界的にはちょうど先週にホール4団体が撤去状況の調査をとりまとめていると聞いている。

 

今回の撤去は業界の申し合わせというよりも(申し合わせもあるが)風営法上の義務だ。警察庁の解釈では、風営法施行規則の著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準が改正された場合、改正前の機種はすべて風営法第20条1項違反である。ただし前の規則の検定と認定が残っている場合は合法、というもの。だから、仮に期限を超えて非撤去の店があるとすればこれはすなわち法令違反店舗ということになる。1月の課長講話でも最も重要な事柄として警察庁は位置づけていることから、法令違反をすれば取り締まられる(具体的には営業停止命令をくらう)ことになるため、期限を超えて設置し続けるという店が少なくとも「たくさんあるなんてことはない」ということはあらかじめ想定することができる。

 

検定や認定の期限等は都道府県ごとに異なっている。これは都道府県ごとにある公安委員会が担っているからだ。だが、多くは1月末で期限を迎えた。そういう地域は今はホールの中にはPS問わず新規則機しか残っていないわけである。

 

遊技客の動向というか遊技心理というか、その辺が変化するタイミングはまさにここにあると思う。特にパチスロの場合、ノーマルタイプのBB出玉の枚数も違うし各種規制内容も異なっている。今まで5号機ばかり遊技していた層が、6号機ばかり遊技するのか、それとも好調のぱちんこ319系に移るのか、それとも遊技しなくなるのか、この辺は向こう数年の遊技機市場全体を左右する案外重要なこととなる。

 

ホールの傾向としては、ざっくり言えば新規則機だけになると売上が落ちる。これは性能から見ても当たり前のことだ。だが、遊技客の動向はまた異なる。まだ完全に現場感を把握したわけではないが、6号機に普通に向き合って遊んでいる層が増えているという現場もあるそうだ。

 

5号機のこの4年間の段階的な撤去、特に高射幸性にカテゴリされていた機種の撤去と新規則ぱちんこの好調気配とが重なって、ホール現場にいるぱちんこの客が従来の5号機の客、という現場感もかなり言われることだ。また、319系のぱちんこは1月も好調で、現時点ではRe:ゼロが圧勝した新機種群だが、昨年の傾向よりも周遊性は落ちているように見える。周遊性というのは勝手に私が言ってることだが「一定の319系の客が新機種に移動しているだけ」というもので、この周遊性は落ちた方が市場にとってはいい。ただし、その周遊性が落ちる、すなわち客が増えてきたという印象は、増えた客が5号機からの撤退組であれば、全体で見れば周遊性は落ちてはいない。

 

このあたりが本来は現場感として急いで掴みたいものの1つ。だが、これをはっきり断定できるほどにまだ私もよくわかっていない。

 

今年はスマート遊技機の登場が予定されている。しかし半導体不足の影響でそのスケジュールが少し遅れる見込みだ。本来は今年の夏にスマート遊技機が登場することになっていたし、スマートパチスロは2か月ほど早く登場する予定だったのだが、それは現状は未定。それでも部材不足が解消されれば登場できることから、何年も遅れるような話ではないと考えている。

 

そういった新しいカテゴリの遊技機は、もちろん性能の中身もまた既存機とは異なって出てくる見込みだ。一応は射幸性を拡大しないように、という前提を設けて、そうじゃない範囲で性能規制緩和、という流れである。また、何をもってして射幸性と考えるかというのは、最終的には警察庁が諾とすれば射幸性の拡大にならない、ということになる。これはしばしば私も指摘してきたが、一般的な遊技客が考える射幸性と警察庁が考える射幸性はその見方も基準も場合によっては全然違うものとなることもある。

 

新しい年になって、今年の前半はそれでも既存機が市場を担う。後半にはスマート遊技機も登場できるだろうし、既存機の内容もまた自主規制改定によって今よりも変わってくることも見込まれている。それらの時期については、現時点では言えないというのは、私の昨年末の想定とは違い狂いが生じているが、それとて、現時点でスマート遊技機も既存機もぱちんこもパチスロも、性能規制緩和のトレンドに居続けていることは間違いない。ただ、警察庁は警察庁の考える射幸性の拡大を許さないので、その範囲内での緩和ではある。その辺のニュアンスはたとえば今の319系の状況を鑑みれば、緩和のトレンドが維持されていることの有用性はみなさんも理解できるのではないだろうか。

 

3月4月と、コロナ禍の推移も業界的には気になるところだ。現在、私の在住している東京都はまん延防止等重点措置を延長となっているが、これがちゃんと終わるのか。コロナ禍を防ぐための施策は昨年9月以降のように奏功するのだろうか。私は2回目のワクチン接種が昨年9月の頭だったことから来週くらいに3回目の接種の案内が来ると予想しているが、3回目のワクチン接種が進めばオミクロンによる拡大が鎮静化するのかどうか。あるいは今後、あらたに別の株の急拡大があるのかどうか。これらも市場動向を大きく左右する。基本的にはぱちんこ業界は観光業などと同じ余暇市場である。これ以上コロナ禍が、たとえば向こう3年も続けば、それらの余暇産業とともにたぶん壊滅することになる。そういう影響も考慮して、コロナ禍の推移はまったく読めないけれど、注目していきたい。

 

まずは、旧規則機がなくなった地域から遊技客の遊技心理が変化していくだろうということで、私自身もその現場感をつかむためにいろんなケースを見聞きしてデータ等をチェックすることに励みたいと思う。

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  • 1:2022-02-24 13:06:44POKKAさんの記事は的確で分かり易いけど、いかんせん堅い感じがする。 朝日新聞みたいで堅くて読みづらい。 以前、生配信であった業界の話みたいな感じくらいだと頭に入って気安いのになぁと思う。
  • 2:2022-02-25 00:16:25分かっていること、確定していないこと。知っているけど出してはいけないこと、など色々あるとは思いますが、閲覧者はこの先どうなるのか、に興味があります。

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