令和4年は規制緩和が広がり、スマート遊技機が登場!?反転攻勢に出た業界の動向を解説!

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令和4年は業界反転攻勢になりそう

 

もう令和3年も終わる。平成の終わりに規則改正となり、令和の時代は旧規則機撤去と新規則機のポテンシャル不安から始まっていった。今年はぱちんこの成功機種が牙狼、ガンダムユニコーン、個性派ではうまい棒などいくつも登場しており、パチスロ不安だけと思っている人もいるかもしれない。

 

しかし、改正規則が施行されて2019年頃までの2年間は、たとえばぱちんこにおいては「北斗無双を大量に設置している大型店は経過措置が終了したらどうするのか」といういうことが普通に業界内で不安材料というか心配材料として語られていたくらいな状況ではあった。ぱちんこが市場の中で「できる」と実感できたのはおそらく去年の源さん韋駄天から。そして今年の牙狼、ガンダムユニコーンで「どうやら本当にできる」という確信に変わりつつあるという感じであり、令和元年(2019年)当時はまだ見通しとしてはかなり苦しいものがぱちんこにもあったわけだ。

 

そこに2020年のコロナ禍である。ぱちんこ業界は政府のガイドラインに沿った形での各自治体からの休業要請に99%応じるというすごい横並びを見せている。しばしば「よくわからない、ちゃんとしていない業界」と外から見られがちであるが、昨年のゴールデンウィーク期間中は、全国の休業要請が出ている地域での完全休業率は99%ほどあったのだ。こんな店舗商売はおそらくこの日本にはほかにほとんどないのではないだろうか。NPBやJリーグのようなスポーツ興行は100%だったかもしれないが、ぱちんこ店は数がそれらと比べて違い過ぎるのである。すごいことだということは今思い出しても思うこと。しかし、当時はひどいバッシングが続いていた。それも振り返れば大変苦しい思い出となるが、休業要請の順守率の高さも奏功して、昨年、経過措置は規則附則改正で1年間延長し、公的融資の対象にぱちんこ営業も含まれることとなった。

 

経過措置延長についてはコロナ禍による中国からの部材調達難が主な理由なのだが、当初警察庁は業界に半年ほどの延長しか認める方針を示さなかった。しかし感染拡大の波が来るたびに規則附則改正はたびたびやるのも大変だ。だからそれに準備の形で1年間延長し業界側に自主的に撤去させるという手法を警察庁と業界6団体が握ったのが去年の4月のこと。4月の途中から休業要請が出てしまったため、警察庁はその休業率推移を注視していた。「業界が自分らでやるといったことをできるかどうか、休業率で測る」みたいなイメージだ。こうなったのは警察庁内で幹部の間で意見がわかれていたからである。だから休業に意味はあったが、補償もなしに何度も続けることができるものではない。後にコロナ禍が今年も続いていることを踏まえて自主撤去のスケジュールは再び改定され経過措置ギリギリという感じになっている。

 

去年の宣言が開けてから11月までは今思い出すと不思議な期間である。ワクチンは接種していないし感染拡大を抑えることができたのも日本経済に甚大なダメージを与える代償を支払ってのこと。ずっと減少傾向にあった月ごとの自殺者数推移が前年同月比で増加に転じたのも去年のことである。代償は大きく、しかしそれでも11月途中から東京都や大阪府で感染が急拡大していった。これを受けて今年は年初から1都3県での緊急事態宣言ではじまったわけだ。そこから先は今年の推移である。

 

新規則が施行されてからは新規則機に関しては規制緩和を認める方針を警察庁は採用し続けている。これは今も続くトレンドだ。しかし経過措置延長もあってホール店内には今もたくさんの旧規則機が残っている。これがなくなるのは多くの地域では来年1月末。しかしいくつかの府県においては機種によってそこから先にさらに期限が伸びているところもある。これは当該地域の警察本部の前倒し認定処理が警察庁が想定したものとは異なることから発生する現象なのだが、いずれにせよ来年春頃には旧規則機が完全になくなっていく。

 

新規則機だけの市場になることはスケジュールの都合上決まっていることで不可避。ならばと日工組、日電協というぱちんこメーカー組合とパチスロメーカー組合は新規則機の規制緩和にかなり真剣に取り組んでいた。警察庁が許容するためには射幸性が拡大しないという安心・担保を警察庁に示す必要がある。その担保は規制の新設かもしれないし理屈で「これこれのような性能は出てこない」ことを示す根拠かもしれない。その規制緩和の作業は令和元年というよりもその前年の新規則施行年から始まっている。

 

この規制緩和の流れは次世代遊技機についても当てはまる。というか、日工組、日電協は先週の24日、遊技機動向について日工組榎本理事長、日電協兼次理事長が先月のホール団体余暇進の秋季セミナーでビデオメッセージを寄せて語っているのだが、その動画をまとめて公開している。それを24日、つまりクリスマスイブの日にホール4団体に案内した。これは余暇進の秋季セミナーは(今年もリモート開催だったが)、出席者しか当該動画を観れなかったからである。今後の動向を現時点でわかりやすく語っているという点を考慮して、日工組、日電協、余暇進が協議し業界内で共有すべきと判断して公開してくれたわけだ。

 

その中ではスマートパチンコとスマートパチスロの話が主となっている。これは従来、次世代遊技機と私は呼んでいたし、業界内では管理遊技機やメダルレスと呼ばれていたカテゴリだ。スマパチ、スマスロ(これは略称)という呼称を採用することはずいぶん前から決まっていたが、業界内で日工組、日電協の理事長が公式に「スマパチ、スマスロ」という言葉を多用するようになったのは、私の知る限りこの動画が初である。今は日工組、日電協の関係者も次世代遊技機について「スマパチ、スマスロ」と呼ぶ方が圧倒的に多くなっている。このスマート遊技機について、具体的な内容は触れてはいなが、ホールに向けて期待できるようなニュアンスを多分に含んだ内容となっている。

 

既存機(今のP機、メダルの6号機)の規制緩和トレンドは来年も続いていく。今月はまさかの2,400枚MY→差枚数という情報が3日に一気に拡散されたが、極端に言えばあれは氷山の一角。メダルの6号機だけでなくスマートパチスロについても性能規制内容が射幸性の拡大は避けつつ有利に変化(というか新設)していることはわかっており、さらに言うとぱちんこP機及びスマートパチンコにおいても同じことが言える。これらは最終の詰め作業を12月も日工組、日電協はやっており、固まり次第、業界内で公式にアナウンスされる見込みである。その時期は来年になるがそう遠くはない。少なくとも旧規則機が完全撤去する前後くらいには実現しそうな見込みである。

 

だからそこの時期までは具体的な性能規制について私が表だって触れることはしないが、「何やら良くなりそうだ」というメッセージを今、メーカー団体のトップらが発している段階である。その具体的説明は早晩やってくるとして、それまでは黙って待っていたいと思っている。

 

既存機は来年も普通に販売される。一方で来年の夏にはスマート遊技機も登場する。そのいずれも性能規制として有利な変化・新設があって、それが来年早々にも明らかになる。このような「全体的に良くなりそう」という期待を持った状態で年越しするというのは、私にとっては正直10年ぶりくらいに久しぶりのことだ。

 

今から約6年前、私の古巣である月刊シークエンスの発行人と編集長を故先代から引き継いだとき、年越しを迎えるたびに「来年、月刊シークエンスは残せるかどうか、下手したら廃刊せざるを得なくなるのではないか」という不安をずっと抱いてきた。業況は悪いしまだ旧規則機撤去は完了していないので底は数ヵ月先くらいなので今も予断を許さないけれど、ようやく年越しのときに「来年は業績を回復させてやる」ということを夢想ではなくて「目標・計画」として語れる状況にはなっている。先代が死にゆく直前に「雑誌を残したいから頼む」と見舞い先の大阪市内の病院で言われて引き継いだものだからこれは私の意地だ。意地を張り続けて良かったと来年思えるように今からいろいろ努力していきたいと思っている。

 

という感じで、今、具体的に言及しない無精はご容赦願いたい。業界内にて日工組、日電協が説明を始めたタイミングでその時点でわかっていることを私もいろんな場で発信していく。もちろんそれはこのコラムも含まれている。

 

とまれ、本年も毎月お世話になりました。こんな私なので駄文しか書けませんが、来年はシークエンスの業績回復を目標としながら今年よりも良い記事を書くことができるように努力したいと思います。業界も良くなりますように。そして遊技客のみなさまも良い遊技ライフを堪能できる年になりますように。

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