大崎一万発も注目!業界団体が提案するホール広告の規制緩和について
8月25日、業界団体MIRAIぱちんこ産業連盟(MIRAI)と、ぱちんこ広告協議会(PAA)の共催で、「パチンコ広告宣伝ルールのあり方」をテーマにした業界向け経営勉強会が開催された。業界団体会議のメインテーマに広告宣伝が取り上げられた例は(少なくとも僕の)記憶になく、販促業に関わる当事者としてのみならず、広告宣伝が収支に直結するユーザーの立場からも捨て置けないニュースである。
本稿の読者なら先刻ご承知の通り、ホール広告宣伝の現状は、カオスを通り越して終末期のグッチャグチャ状態である。法令、条例、業界内自主規制と縛るルールが多岐に渡り、運用も取締実態にも極めて大きな地域差がある。特にSNS普及以降は、規制強化地域のホールに代わってグレーな告知・宣伝を担う「晒し屋」「インフルエンサー」と呼ばれる業者や個人が跋扈し、収拾がつかない状況となっている。これまでは逐次的にルールを厳しくすることで対応してきたが、隙をついた新たな手法とのいたちごっこが続くばかりだし、一般の客商売では当たり前の宣伝広告が「悪」とされる異常事態が生じてしまった。その抜本的解決のため、規制よりも緩和に向けた議論を始めようとの方向転換が提示されたのが今回の勉強会である。
具体的には、「事実の告知」を認めるようルールの見直しが提案されている。遊技機に関しては、「プラス情報+マイナス情報を事実に基づき正確に告知」。プラス情報だけでは煽りになってしまうから、マイナス情報の開示も含んだ上で、出玉率や設定割合の広告宣伝をOKとするものだ。これに従えば「当店の○月○日の設定配分は、6が△%、5が△%、……1が△%。営業の結果、設定6の出玉率は□%、1は□%でした」といった具体的な数値を伴った告知が実現する可能性が出てくる。無論、煽りにならないよう告知は事後のみ、また特定日だけの開示も禁止との縛りも同時に提案されているが、業界団体発信としてはかつてない大胆な提案と言える。
またイベントに関しては、「周年」の告知やリニューアルオープン、有名人招致の事実告知を認めるよう求めている。著しく射幸心をそそる内容は変わらずダメだが、「当店は○月○日にグランドオープン○周年、当日は大崎一万発さん収録来店」といった事実告知が可能となる……かもしれないのだ。こと昨今は、演者来店がホールイベントの中心であり、日時や店舗の告知内容がしばしば議論となる。地域のルール的にはNGのはずなのに、「○交差点付近のホールにお邪魔します」といった脱法的告知はなぜかお咎めなしの曖昧な現状が改善されるだけでも大いに意味があると思う。だいたい、大崎の来店で射幸心がそそられる客がいるのか(笑)という話でもあり、玉が出ますよの煽りを伴わない収録告知まで悪事、赴くライターも悪の一味とされている状況にどうにも納得ができなかっただけに、個人的にはいち早くの見直しを期待したいポイントである。
といっても、現状はあくまで見直しのための「議論を始める準備を始めた」段階に過ぎない。地域差をどう均していくのか、その後も違法・脱法告知を続けるホールや業者へのペナルティ、緩和に乗じた行き過ぎをどう抑えるか等々、細部を詰めるには警察の理解と連携も重要になるし、前進には難題が山積である。しかし見ないふりをやめ、建設的議論の俎上に上げられたことは大いに意義があるし、市場縮小にストップをかけたい業界の切実さの表れとも言えるだろう。脱法広告業者の団体がまた新たなメシの種を探しているだけと揶揄する向きもあるが、大きな一歩を踏み出した今の段階から足を引っ張るようなことを言っても何の意味も持たないと思う。ルールを守った広告宣伝を頼りにユーザーが自由にホール選びができる。我々演者も堂々と業務を遂行できる……そんな健全な「MIRAI」を夢見ながら、進捗を注視していきたい。関係者各位、くじけず頑張ってください!
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