大崎一万発「パチンコ業界はコロナ禍で崩壊しても滅亡はしない」新著「パチンコ崩壊論」の話を聞いてみた! (2/3)
「日本社会の一員」に認められないパチンコ
2020年は消毒液が全ホールに設置された年になりました2020年から現在までに起きた業界の出来事についてお伺いしましたが、最初はやっぱり「コロナ禍」ですね。
「崩壊論」でもメインテーマとして取り上げられていますが、パチンコ業界の影響としては営業自粛が非常に大きかったのでしょうか?
大きかったですね。しかも「世間の空気感」だけでそこまで追い込まれたことが大きいと思います。
1年経った今では「あの時休む必要なかったんじゃない?」的な見方もあるくらいですよね。
実際にホールでクラスターが起きた事例は出なかったですね。
ホールの換気性能は良いし、お客さん同士で喋ることもないから「むしろ安全な遊びじゃないの」くらいの見方も出てきてるワケです。
ただ、本の中でヤングさんも言ってるけど「他の誰かのせい」にしようとした時にパチンコは本当にちょうど良いんですよ。
叩いても許されるターゲットみたいになっていましたね。
世間のガス抜きに使われてしまったところがありました。
ある意味、世の中のストレスを全部受け止めていた時期もあったので、世の中がストレスで爆発しそうなところをパチンコが救った面もあると思うんですよ。
大崎さんの長いキャリアの中でもここまで長期間にわたって日本中のホールが閉まったことってあったのでしょうか?
それはさすがにないですね、一生に一度あるかないかの出来事だと思います。
東日本大震災の時も、東日本では自粛や節電を求められても西日本では対岸の火事みたいなところがありましたから。その時と比べても全然違いますよね。
しかも、あの時は震災が起きた日がどん底でそこから前向きに回復していくことができたんですけど、コロナに関しては底のまま引きずっているような状態なんで。
まだ出口が見えない状態ですからね。
自粛のまま閉店したホールが出てきたりもしました。
みんなギリギリだったりするんですよ。
パチンコ屋って儲かっているイメージを皆さん持っているんですけど「そうじゃないよ」っていうことが世の中に伝わった面もありますね。
そして、コロナで変わったことについては「ユーザーも含めた各職域で価値観の違いによる分断が進んだ」とご回答いただきました。
状況的にギリギリで、営業しないと従業員の雇用も保てなくて「自粛なんて知ったこっちゃない」と言わざるを得ないホールもありましたからね。
そういったホールに対して「何営業してるんだ、ふざけるなよ!」というホールもありましたし、逆に「それは仕方ないよ」と理解を示すホールもあって、そのどちらの立場の意見も間違ってないんですよ。
よく「業界の足並みが揃わない」と言われるけど、そういった面から見ても「揃うわけないよね」ということが今回の件でハッキリと浮かび上がりましたね。
知事による名指しの晒し上げや、ワイドショーの毎日の吊し上げでパチンコ業界のバッシングがさらに強くなったことについては、崩壊論の中でも「日本社会の一員に認められない」と書かれていましたね。
そうなんですよ!やっぱり民族的な偏見が起きるんだなということを感じましたね。そして「パチンコは違法賭博だ」と思っている人たちがまだまだ多くいるということです。
「違法ではないけど突っ込まれると色々グレーなところが出てくる業界」ではありますし、そういうところをクリアにしていかないと一生言われっぱなしになるので「白くできるところは白くしていかないとね」というのは業界トップの方々も強く思ったんじゃないですかね。
だから最近、日遊協の西村拓郎さんもSNSやClubhouseで積極的に発信されているんですよ。そういうこともコロナがなかったら起きてなかったことだと思います。
本の中でも書かれていましたが、業界団体が13団体もある中で「共通の広報」がいなかったのが世論に言われっぱなしになっていた理由の1つというのが気になりました。
その点について西村さんも「広報を置かないと」と強く言っていますね。
正しい情報を出していかないとデマみたいな情報もまかり通ってしまうから、そこをどうにかしないといけないと。
そういう機運というのは確実に高まっていて、うやむやにせずにちゃんと考えようという空気感ができている状態ではありますね。
ただ、この13の業界団体はそれぞれの目的があって作られていると思いますが、「共通認識」として意見を統一することは可能なんでしょうか?
そこは無理なんじゃないかなと思いますね。その点に関してはPOKKA(吉田)さんも「無理でしょ」と言っています。
それぞれの団体で「どうやったら儲かるのか」というのがベースにあるんですけど、各団体が見ている先が3年後か5年後か10年後かで全く違っているので話が合わないんですよ。
例えばオンラインパチンコが始まったとして、メーカーが配信する機種をダウンロードして遊ぶことになったらメーカーはソフト屋としてやっていけるのでおいしいワケですよ。ただ、ホールは儲からなくなるじゃないですか。
そうですね。
だから、ホールの立場で考えるとオンラインパチンコなんて望むワケがないんですよ。
「50年後にはオンライン化してないといけないよね」というのは世の中の流れを見てもわかっているけど、そっちにシフトしようとしたらホールは当然反対しますよね。
どこのセクションも切り捨てるには大きすぎますからね。
そういった面から見ても足並みを揃えることが難しいんですよ。
だから、「パチンコの未来はどこを目指すのか?」という共通認識を持てていないのは強く感じるところですね。
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