ホールが禁煙になる日が近い?【POKKA吉田コラム #24】
都心部では、はじめて行った駅を出るとき、愛煙家は時間があれば必ず喫煙所の有無を確認する。
いつも使う駅の場合は、待ち合わせの場所を喫煙所にしたり、喫煙所の近くにしたりする。
路上での喫煙が禁止されていることが多いこともあり、愛煙家の行動はほぼ似たようなものだ。
かくいう私もその愛煙家の一人である。
たとえば東京23区。
千代田区などは喫煙所の場所を探すのも苦労する。
やはり皇居があるからか、喫煙所の数がかなり少ない。
そもそも存在しない駅もある。
こういうとき、私はホールを探す。
このコラムの読者にもそういう人は多いのではないだろうか。
ホールはほぼ喫煙可能だ。
小さな店でもベンチくらいはあって、灰皿があることも多い。
小一時間くらい待ち時間があれば、そのまま遊技したりすることもあるだろう。
しかし、その風景はもうそろそろ見納めになりそうな気配だ。
政府・厚労省は先月「受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)」というものを公表した。
政府は施設・店舗など、を3つのカテゴリに分けて、それぞれどのような受動喫煙対策にするかの方針を決めた。
それは、
他の代替施設がほとんどないもの(官公庁など)→建物内禁煙
年少者などの利用があるもの(学校、医療機関など)→敷地内禁煙(建物の外も禁煙)
民間の建物など(ビル、店舗、鉄道など)→建物内禁煙、喫煙室設置可
というものだった。
厚労省はさっそく省庁横断的にそれぞれの省庁が所管する業界などにこの対策を働きかけ、意見聴取したい旨を伝達した。
厚労省は当初、警察庁に話をしておらず、ぱちんこ業界は関係ないかと思われていたが、結果は直前でやってきた。
ぱちんこ業界だけではなく、すべての店舗商売は「建物内禁煙、喫煙室設置可」のカテゴリに入る。
受動喫煙防止対策強化検討チーム内ワーキンググループは、10月31日、11月16日の2回にわけて関係団体からのヒアリングを開催。
これは公開された。
ぱちんこ業界からは11月6日に日遊協がヒアリングに参加している。
(全日遊連はヒアリングを傍聴するにとどめた)
日遊協はヒアリングで意見を言い、全日遊連は意見書をまとめて提出、という流れにあるが、重要なことはそこではない。
それは何か。厚労省が「意見を聞かない」姿勢を見せているということだ。
厚労省の健康局長、健康課長はもちろん、塩崎厚労相も推進派である。
早ければ、来年の通常国会にも提出して、法制したい考えである。
今回、違反者には罰則が科せられる。
従来の禁煙関係の条例等には努力義務が多く、強制力のある罰則規定は少なかった。
2020年東京五輪に合わせる形で厚労省は法制化を急いでおり、違反者には警告等を発した後に過料などの罰則規定が予定されている。
なお、厚労省のたたき台は「東京五輪・パラリンピック」開催に向けて、諸外国と同等の受動喫煙防止対策を、ということで、イギリス型と韓国型の併用を日本は採用する方針だ(全面禁煙はイギリス型、喫煙室可は韓国型)。
しかし、塩崎大臣は、ぶら下がり取材で2019年ラグビーW杯についても言及した。
こうなると2020年に施行ではなくて2019年夏までに施行となる。
つまり「あと3年しかない」んですよ。
ホールにて遊技するときにタバコを吸うことができるのは。
ことはホールだけじゃなくて、飲食店も同じ。
呑み会の場所は全面禁煙ばかりで愛煙家は席を立ってわざわざ喫煙室に行かなければならない。
カウンター席だけのスナックとかじゃ、喫煙室を作る場所もないので全面禁煙に。
そういう時代があと3年で来る、ということなんです。
ぱちんこ業界においては、大型店は喫煙室を作る余裕があったりそもそも喫煙室があったりするが、小型店は喫煙室を作るのは大変だ。
おそらく1BOXくらいは島を潰さないと作ることができない。
あとは、吸い殻回収設備業者も大変だ。
吸い殻回収とは、島の灰皿の中にコンベア等が流れており、自動で吸い殻を回収していく設備であり、多くのホールが導入しているもの。
これが売れなくなるわけだ。
なので、業界的には大変だが、飲食業界もそれは同じ。
というか、反対意見は公開ヒアリングでもかなり出たのだが、健康課長も塩崎大臣も耳を貸さない姿勢をかなり鮮明にしている。
まあ、行政がよくやることなのだが「一応意見は聞きましたよ」というアリバイ作りの一環である。
社会的には「禁煙化」については、反発が小さく、むしろ賛成も多いもの。
これから愛煙家はますます肩身が狭くなります。
ホールは「愛煙家の最後の砦」でもなくなります。
なお、自宅等は法制化の埒外なので、愛煙家の人は家族の理解があれば屋内喫煙できますよ。
INFOMATION
いいね!する
0関連記事
ランキング
24時間
週間
月間
この記事にコメントする