ユニバカサミフェス延期だけじゃない!コロナウィルスショックで新台が入らない!?苦境を迎えたパチ/スロ業界だが、「遊タイム」「6.1号機」は救世主になり得るのか!?
ええ、みなさま、永らく原稿を入れておりませんでしたがお元気でしょうか。私のスケジュールがアホみたいに忙しいことが理由ですが、忙しすぎるときほど呑んでしまうという性格?性癖?のせいでもあります。久しぶりなのでずらっといくつかのテーマを一気に本稿で簡単にまとめていきますのでよろしくお願いします。
まずは直近の話から。新型コロナウィルスの影響がぱちんこ業界にもかなり出ていることはご存じだろうか。陽性感染者が遊技していたというホールは営業が止まっているとか、ホールスタッフがマスク着用で接客しているとか、ユニバカサミフェスが開催延期となったとか、そういう話もあるが、もっと具体的には遊技機の供給不安に陥っているという問題がある。
遊技機は部品の点数がとても多い、ハイテク系の製造物だ。その部品を中国から仕入れている遊技機メーカーは実はかなり多い。中国はご承知のとおり、しばらくの間、全域で経済活動が止まっていた。工場の稼働停止はもちろん、ホテルも営業停止だったり外出制限があったりした地域もあったという(いずれも武漢以外にも関わらず、だ)。
一応報道では2月10日から経済を止めないように、という北京の政府からの指示で各種商業施設や工場は稼働再開した、ということになっている。しかし、確実に陰性だと確定した人以外の外出等が制限されていたりする関係で、新型蔓延前の状態とは程遠い。また、仮に工場が動いて部品を作ることができたとしても、それをどうやって日本に輸送するかという問題もある。今、中国便はかなり停滞していることはご存じだろう。
現在、ぱちんこやパチスロのメーカー団体である日工組や日電協、そしてホール団体の全日遊連などは対応を検討してはいる。しかし、メーカーがいくら肝心の工場に問い合わせたところで、回答が得られるものではない。「いつ頃製造再開していつ頃に部品を日本に送れるか?」という質問に回答できる中国の民間人はまあいない、というわけだ。
今年は経過措置終了最終年であり、旧規則機が一年ほどで約270万台ほど撤去されることになっている。しかし新台供給ができないとなるとこれはかなりキワドイ話になるわけで、早晩、業界側から警察庁へ説明なり相談なりが行く予定となっている。
まあ、ぱちんこ業界に限らず、中国は世界の工場なので、各方面というか世界経済に影響を与えることになる。新型蔓延が収束に向かうのがいつ頃になるかによって、その影響は違う。一応は高温多湿に弱そうなウィルスなので、昨年よりもはるかに早い本日に春一番が吹いたことは新型収束に向けては悪いニュースではないのかもしれない。
いずれにせよ、これについては推移を注視していくしか術がない話である。
規制緩和の話も少々。まずはぱちんこから。
ぱちんこは時短の発動条件が緩和されている。技術上の規格という国家公安委員会規則(つまり法令)の解釈基準を警察庁はあらかじめ定めているが、それによって時短の発動条件は大当たり終了後のみ、ということになっていた。「突時」というものもあったりするが、それは玉ナシ2R大当たり終了後に発動というのがそもそも始まりである。
解釈基準が昨年12月に改正されてこれが緩和となった。従来の大当たり終了後はもちろん、規定回転数外れ続けた場合、特定図柄が揃った場合にも時短が発動してもよくなっている。また、時短回数に関する制限もなくなって解釈基準上では何回続けてもよくなった。
日工組はこの解釈基準改正に合わせて内規を改定した。内規の内容は、時短回数の最大値を初当たり確率分母の3.8倍まで、ということにしている(2種系などの役物確率の場合は上限100回)。
規定回転数到達で発動する時短を「遊タイム」と呼ぶことにしている。遊技客から見ると「天井」の方がわかりやすいかもしれないが、遊タイムのロゴなどが新台のポスターや小冊子に入るとその仕様がわかりやすいこともあるので、各メーカーの販促資料の作り方によっては遊タイムという用語が浸透する可能性はある。
この遊タイム。解釈基準上では規定回転数の設計に条件がついている。それは「初当たり確率分母の2.5倍から3倍までの間に限る」ということ。つまり、100分の1の機種の場合は、遊タイム発動回転数は250回から300回までの間にしなければならない。
また、規定回転数は設定搭載機の場合、全設定で共通にしなければならない。このため2.5倍から3倍をすべての設定で満たす必要がある。こうなると、設定1で319分の1の機種の場合、逆算すると設定6でも266分の1くらいまでしか確率を高くできなくなってしまう。これじゃあ意味がない上に適合率がいたずらに下がってしまうことも考えられるということで、設定搭載機の申請が今のところほとんど確認できていない。設定搭載機を普及させるべきという考え方を持っている私にとっては、この点が唯一の不満点である。
宵越し天井的な使い方をホールがするかもしれないし、毎回リセットするかもしれない。また、設定搭載機の場合は設定変更でリセットできるが、設定搭載機がない(あるいは少ない)現状なのでリセット機能をスイッチにして型式試験申請しているメーカーもあるという。
まあ、その確率設計は不問で、初めに2.5倍から3倍までの間外れ続け、そこからさらに3.8倍回せるということは、限りなく大当たり発生確率が100%に近くなる。とはいえ、フヅキの人はいるものだから、逆に3.8倍抜けたという情報は拡散されるかもしれないが、ほとんどの人はそんな憂き目に遭うことはなさそうだ。
私は、ぱちんこの最大の欠点は初当たり確率ベースにおいての完全確率だと考えてきた。今回、突然確変はできないままだが、時短中のスタートは玉が減らない(減る調整でもベース値は85くらいはある)ことから、マックス系で人気になったシリーズとの相性が抜群だと思っている。これは「稼働が上がる」という見立てだが、業界内では今回の時短緩和について、評価は分かれている。時短が増えるということは、ホール営業管理視点では売上玉占有割合が下がるため、あるいは時短が増える分大当たり性能を削る必要があることから、過度の期待はできないという評価をしている人もいる。私は再度言うが、これで稼働がかなり上がると予想している。だって、私なら打ちたいもの。
日工組は内規で時短緩和機の納品設置を4月1日の開店以降と制限をつけた。現時点で適合型式は出ておらず(先月の6日からの申請だったので)、どんな仕様のものが適合していくかはまだ不明だ。4月以降、新台には注目しておきたい。回転数でハイエナとか、宵越し天井とか、そういういろんな立ち回りの可能性は出てくる。
パチスロの方は6.1号機と正式に呼ぶことにしたが、こちらの緩和は解釈基準とは関係なく、自主規制だ。日電協は正式に12月の頭頃に自主規制緩和を警察庁に了承してもらったため、既に12月から型式試験申請は始まっている。
今回の自主規制は3点。
一つは当該ゲームペナルティOKというもの。これによって、たとえば高純増機が仮に50ゲーム/千円だったとすると、それが純増枚数そのままに40ゲーム/千円くらいまでは下がる、とアナウンスされている。
ベース値が高くて千円あたりのゲーム数が高くなる場合、時間あたりの投資金額を抑えられるのは事実だが、一方で弊害もある。ベース値は一般遊技中の払出し枚数の投入枚数に対する割合のことなので、ベース値が高いということはそもそも「払出し枚数が多い」ということを意味しているからだ。時短緩和機の時短のような「一定条件後の発動」ではなく、一般遊技中なのでその割合は極めて大きい。そこの払出しが多い場合、大当たり設計や確率設計にどうしても削る要素が出てくることになるわけだ。
ベース値を下げることができるとその分、大当たり設計や確率設計、上乗せ等設計に振ることができる。だからこそ技術上の規格(や施行規則)は役物比率規制を規定しているわけだが、6号機の高純増機はそもそも極端にベース値が高過ぎた。それを下げるということはホール視点では何においてもプラスにしかならない。このため、6.1号機への期待はかなり大きくなる。
注意点は一つか。それは「当該ゲームペナルティ仕様というものを、ほぼすべてのパチスロメーカーは開発した経験がない」ということである。4号機から5号機、どんな機種でもいいが、ペナルティ搭載機のペナルティ仕様を思い出そう。当該ゲームにペナルティを設けているパチスロを私は唯一機種も知らない。誰か知っている人は教えて欲しいくらいである。
よって、どのようなペナルティ仕様になるか、各メーカーの工夫の見せ所となる。もちろん、ゲーム性が評価されなければならないわけだから、この点、どういった仕様がトレンドになるかは注目しておきたい。
残り二つはゲーム性に関する部分で「目的外表示」と「ビデオリール」となる。目的外表示は疑似遊技系の演出等でありビデオリールは文字通りビデオリールだ。なお、ビデオリールの場合、メインリールは小さくてもいいので存在してなければならない。
パチスロの場合は型式試験申請が12月の中旬頃から始まっているが、現時点でまだ適合した型式は確認できていない。こちらの場合は日工組の時短緩和機とは違い、特に納品設置に期限制限はないので適合すればいつでも出てくることになるが、その時期は試験次第だ。なので時期は明言できないが、4月頃には初の6.1号機が出てくるかもしれない。
警察庁の人事も触れておこう。1月17日付で警察庁生活安全局長が白川氏から小田部氏に、生活安全局保安課長が山田氏から小堀氏にそれぞれ異動となっている。これ、かなり異例というか以外な人事だということになるかもしれない。
というのも、小田部局長も小堀課長も、二人とも「ぱちんこ業界担当の課長補佐」を経験してきた人だからである。小田部氏は諸元表の小田部と呼んでいる人もいるくらい現在の検定や型式試験における重要な諸元表の仕組みを確立した人であるらしい(その頃業界にいないので正直知らないが)。また、小堀課長は5号機がまだ先行き不透明でアイムジャグラーEXのみが大ヒットという状況で課長補佐になっている。実際の実務は技官やときの課長によるところが大きいとは思うが、小堀課長補佐の時代を経て5号機マーケットが拡大したのは事実なので業界内では小堀課長に期待する向きは案外多い。
この辺はいずれわかってくるだろう。業界をよく知っている人が局長・課長となった新体制が業界にとって良いことなのかあるいは悪いことなのかは、現時点では私は判断を留保している。
ちなみに技術上の規格解釈基準は課長の決裁で改正が可能であり、メーカー側の自主規制(内規等)の改定諾否も課長決裁なので、山田課長が異動する直前にPS両方が緩和されたというのは、人事のスケジュールとリンクしている。「この緩和で山田課長時代のぱちんこ業界の仕事は終わり」といえばいいだろうか。関係ないという人もいるが、しばしば異動のタイミングでこういうことになるのも警察庁の業界所管あるあるだ。
とまあ、いろんなことを書いたけど、本稿の補足や他のこと等は3月に予定している業界の話の中で酒呑みながら畏友の忍ちゃんと語ろうと現在調整中ですのでよろしくお願いします。
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