「P yes! 高須クリニック」高須院長のSNSプロモーションは新規ユーザー獲得のヒントになる!?
テレビや電車内で公営競技のCMを見かけることが多くなった。有名タレントや選手を起用し、アツい、カッコイイを全面に出して、盛んに誘いをかけてくる。その効果も表れているのか、いま公営競技市場が好調のようだ。競馬・競輪・競艇・オート、いずれも一時の低迷を脱しつつあり、ことイメージCMを目にする機会の多い競馬と競艇の復調が著しい。
対して我らがパチンコ・パチスロはどうか。厳しい現状においてなお、個々の機種やホール広告は日常的に見かけても、業界横断的包括的な「パチンコやろうよ」の販促を目にすることはない。少子高齢化の折、新規獲得の重要性は増すばかりだが、この出遅れ感は一体どうしたことだろう。
実のところ、横断的施策をやらない(やれない)理由を推し量るのは難しくない。公営ではなく大小多数の民間企業・個人の集合体がパチンコ業界(僕のようなライターや晒し屋だって含まれる)、要はすんなりまとまるはずもないって話である。誰がどんだけカネを出しどこがどう仕切るのか、あるいは周辺いずれの業種まで含めて「業界」と括るのか、まずそこを考えただけで素人目にも無理だと知れる。関係者それぞれの思惑もあれば、パチンコに対しての熱量だってもちろん異なる。高射幸性機の撤去やコロナ禍営業自粛でもあれだけ揉めたのだ。さらに広い範囲で足並みを揃えるなど、土台無理な相談であろう。
中身にしたって、最大最強のセールスポイントである射倖性や換金の部分を謳えないのだから、主体が業界である限りは奥歯に物の挟まったような形にしかなりようがない。「連チャンにドキドキ!」「激アツキター」なんて直裁な煽りはもってのほか、「1箱出たから晩酌に一品追加してニコニコ♪」とか微笑ましい表現だって、どうしてお金が増えてんですかね……と突っ込まれたらアウトだ。もはやいじめとしか思えないが、建前を貫くことで大きくなったんだから今さら泣いたところでどうにもならないのである。
と、やっぱ無理かなと再確認する中で、今週から導入の始まった『P yes! 高須クリニック』には大きな可能性を感じたし励まされもした。主役である高須克弥氏本人が、発表から導入まで継続的なSNSプロモーションを展開してくれたからだ。導入当日には実際のホールに出向いて、台前の写真までアップしている。残念ながら打ちはしなかったようだが(体調が万全ではないとのことで致し方ないですね)、ノンユーザーにも知名度のある著名人がここまで積極的に関わってくれたことは、当該機種のみならずパチンコ全体の大きなPR、そしてイメージアップとなったに違いない。近いうちに実戦ツイートしてくれそう、西原理恵子さんも打ってくれそう、そんな期待感すらある。
なるほど、公営競技が重爆撃戦で来るならば、庶民の娯楽であるこちらは草の根活動を積み重ねて対抗すればいいのである。年間に発表されるパチンコ・パチスロ機はスペック違いまで含めると200タイトルを超える。そしてその多くが一般にも知名度のあるゲームやアニメ、漫画やタレントとのタイアップ機である。もし各機種発表毎に、起用されたタレントや声優、影響力ある原作者やクリエイターが、「自分の台打ちに来てまーす」とナチュラルに現場感あるプロモーションをしてくれたら、そして高須先生ぐらい頑張ってくれたら、展開はまるで違ってくるように思える。
ただ、高須先生はあくまで異例であって、「なーんも関係ないし」を装うタイアップ先が多数派である。契約上の条件もあるのだろうけど、パチンコ化はアリでも、プロモーションにはなるべく関わりたくないって本音が、悲しいかな見え隠れする。だとしたら理由は何? まさかイメージダウン??? ……って、新規のお客さんを呼び込む以前の問題である。まずはそこから納得してもらわなきゃ始まらないではないか。というか、札ビラ切ってもyesと言わせるのが我らが業界ノリだし、それができなきゃ著名版権を起用した意味も薄らいでしまうと言うものだ。
最終的にお金を支払うのはプレイヤーである。負けた甲斐のあるプロモーションを期待したいのである。あのアイドルや声優がしれっと打ってたり、パチンコの話題を拡散してくれるのは、うかつこねくり回したイメージCMより効くのではないのか。「へーこの人もパチ屋に行くんだ」ってサプライズ、この先も続いてくれないかな。そうね、個人的には壇蜜さんとか(笑)。
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