【711枚】昔のビッグボーナスってめちゃくちゃ枚数多いってホント?大量獲得機について解説!
チワッスあしのです。
パチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説するこちらのコラム。今回は「711枚」について。大量獲得機を語る上で良く出てくる数字ですが、よく考えると今のひとって当時のボーナスの仕組みを聞くと結構びっくりするかも。
ちょっとこの辺を解説していきましょう。どうぞ!
今とはボーナス中の仕組みが全く違う。
ボーナスの払い出しルールなどは規則によってコロコロ変わるのですが、ここでいう「大量獲得」が可能であったボーナスというのは4号機時代の話になります。当時のボーナスは今のような純増枚数によって管理する方式ではなく、ジャックインの回数によって制御されていました。
この辺、文字で説明するのが非常に難しいので噛み砕いていきます。
ジャックインするとシングルボーナス(役物)が最大8回連続して成立します。規則的にはこれを「役物連続作動装置」とか言うのですがそれは置いといて、ビッグの場合はこれが複数回行われる「小役ゲーム」というのにまず突入し、ジャックイン後に最大8回のジャックゲームを消化。その後また小役ゲームに戻って再度ジャックイン……という流れでメダルが増加していく仕組みでした。
ビッグ終了の条件は小役ゲームを完走するか規定の回数ジャックインするかの2つ。そしてこの「小役ゲーム」の回数と「ジャックインの規定回数」によってAタイプ(30ゲーム/3回)とかBタイプ(20ゲーム/2回)とかいうカテゴライズもあり、その辺は形を変えながらも今でもちょっと残ってます。なお、小役ゲーム中にジャックインが複数回行われる仕組みのことを「連続役物差動装置」が増加するという意味で「連続役物作動増加装置」といいます。が、あくまで規則上の名前なので普通は「ビッグボーナス」で大丈夫です。
さて、AタイプとかBタイプとかいう言い方をしましたが、当時のパチスロ雑誌を観るとスペックの概要の所によく「A400」とか「A500」のような数字がついていました。これは「400枚くらいとれるAタイプ」という意味です。わざわざこういう表記があったということは、要するに同じ仕組みでも機種によって取れる枚数が全然違ったという事ですね。
枚数が全然違った理由はいくつかありますが、一番デカかったのが「小役ゲーム」の存在。
当初は「ジャックイン高確率」程度の意味であった小役ゲームですが、4号機のわりかし早い段階からメダルの増加装置としての側面も持ち始めます。まずはここで「小役ゲームにどの程度の出玉力持たせるか」で機種によって幅がでます。現状維持や微増程度の機種もあれば、明らかに増える機種もあり。そして増えるとなると、次に問題になるのが小役ゲームの長さです。
小役ゲームは「最大」30ゲームです。連続でジャックインさせてしまうと最短3ゲームで終了する場合もあり。メダルが増える区間を27ゲームも捨てる事になります。ここで編み出されたのが「意図的にジャックインを遅らせる技」、つまりは「リプレイはずし」です。当時のジャックイン図柄は往々にしてリプレイと共通しており、特定の打法で打つことによりこれを外す事ができる機種がありました。要するに3回目のジャックインをギリギリまで遅らせ、メダルが増える小役ゲームを引き伸ばす。これがリプレイハズシの意義ですね。リプレイハズシは「技術介入機」全盛期に大きく話題になり、いつしか「搭載してて当然」「出来て当たり前」のものとなります。
さあ、やがて小役ゲームで「毎ゲーム15枚役が揃う」機種が登場。これがいわゆる「大量獲得機」と呼ばれるものです。ついに冒頭の「711枚」が現実のものとなります。ちょっと計算してみましょう。ボーナス揃い時はそのままの枚数、小役ゲーム中は3枚がけ、ジャックゲーム1枚がけで計算します。
・ボーナス揃い時に15枚払い出し
・小役ゲーム27ゲームで毎ゲーム15枚払い出し(純増324枚)
・ジャックイン時に15枚払い出しが3回(純増36枚)
・ジャックゲーム(1枚掛け)時に15枚が8ゲームが3セット(純増336枚)
これが「711枚」の内訳ですな。これに関しては「ボーナス揃い時15枚」「小役ゲーム中に毎ゲーム15枚」「ジャックイン時に15枚」「ジャックゲームで15枚」の機種であれば全機種達成可能でした。また小役ゲーム中に成立したジャックインをリール制御で蹴って持ち越し、小役ゲームを超高確率で30ゲームまで引き伸ばせる「シフト持ち越し」「フラグシフト」という機能を採用した機種の場合、さらに達成が容易になります。例えば「吉宗」などは、ハズレフラグを引いたりパンク(ジャックイン成立が2回未満)したりしなければ毎回確実に711枚が取れるようになっていました。
要するに、当時の大量獲得機はマジで凄かったッス。
771枚もあったよ。
大量獲得機の象徴のようにして扱われる711という数字。パチスロファンの中には特別な数字として親しむ方も多いです。車のナンバーを711にした! という話も聞いたことがありますし、なにげに筆者も開業届の提出日は7月11日です。勿論狙いました。これは777よりは「そのまんま」じゃなく、知ってる人だけニヤっとできる感じがあるのが大きいと思います。
さて、実はこの711なんですが、理論上は「小役ゲームを1枚がけ」にすることでもうちょっと上を狙えます。リスクしかないですけど1枚がけでもそこそこ15枚役が成立するので、それを取れば713枚になったりします。またベット枚数によってジャックイン絵柄の成立確率が変わらない機種においては30ゲーム目の「パンクするかしないかギリギリの瀬戸際」で、俺はもうこれでジャックインする!と信じ、15枚役を捨てるかもしれないリスクを負いつつ713枚を狙う流派(?)もありました。
もし小役ゲームをすべて1枚役で消化し、かつ全部15枚役を取った場合の最大獲得枚数は「771枚」です。
これ実はスペックとして組み込んだ機種がありまして、それ「シムケンG」「M771」などの機種です。中でも「リアルボルテージ」は超絶技術介入機として今でもたまにスロッター同士の話題に上がります。だったらもう大量獲得機全部771枚でいいじゃん、と思うかも知れませんが、いや1枚がけっつったら1ラインですからね。目押し難易度がクソ上がりますし、当たりがめちゃ重くなる。平均獲得枚数で考えたら711機とあんま変わらないのに、デメリットがちょっとデカすぎるゆえ、ホントの意味での最大枚数獲得可能機種は、ごくごく限られたもののみが発売されるにとどまりました。
713枚取ったことなし。
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