【インタビュー】業界外での交流が ビジネスチャンスに株式会社アクシア代表取締役社長 今泉 秀幸

【インタビュー】業界外での交流が ビジネスチャンスに株式会社アクシア代表取締役社長 今泉 秀幸 eyecatch-image

LED照明やデジタルサイネージ、追尾式太陽光発電システムの開発・販売を行っている株式会社アクシア。「常に新商品を開発する」という経営方針を掲げる今泉秀幸社長の生き様に迫った。

買われた営業手腕 業界外から転職

元々、某大手医療用コンピュータメーカーに勤めていた今泉社長。業界入りとなる転機は30歳の時に訪れた。「某ホールコンピュータメーカーからスカウトされたのがキッカケで、転職を決意しました。当時、パチンコのことはなんとなく知っているくらいのレベルで、全く触れたことがなかったので、何一つ分からない状況で業界入りしたことになります」と今泉社長は当時を振り返る。
転職後はホールコンをはじめ、急速に拡大の一途を辿ったユニットの営業に全力を注いだ。右も左も分からなか
った業界のいろはを懸命に学び、理解し、メキメキと営業手腕を上達させていった。そんな最中、第二の転機が訪れることになる。今泉社長が齢40を迎えた頃だった。「会社が吸収合併されることになりました。合併後もしばらくは働いていましたが、私の思い描く企業像とはかけ離れていたため、これを機に独立しようと思い立ったわけです」。
その後、平成19年(2007年)5月、株式会社アクシアが産声をあげることとなった。

最新技術の製品が業界外から高い評価

アクシアのスタート事業は、成長が見込める『LED照明』だった。当時、この分野は海外の技術進歩が著しく、特に韓国が秀でていたという。「社員の中に、元々LED関連の仕事に就いていて、韓国と強いパイプを持つ分野に明るい者がいたので、思い切って事業化してみようと思いました」。
最初はそのパイプを駆使し、最先端の海外製品を仕入れ、販売していた。だが、それでは他社と差異化できないと考え、オリジナルのLED照明の製作・販売に着手した。「工場、倉庫、体育館、駐車場、屋外球場、ホールなど様々な場所に導入させてもらいました。しかし、あることに気が付いてしまったんです。 LEDは長寿命がウリの製品です。そのためある程度普及してしまうと、定期的・継続的に売れるものではないんですよ(笑)」。
その後、同社ではデジタルサイネージ、太陽光自動追尾架台、新型コロナウイルス対策製品、捕虫器など様々な分野の製品を開発・提供していくこととなるが、その中で特に注力しているのが、2年前から提供を開始した『フィルムLED』だ。これは、透明伝導フィルムにLEDチップを実装して高度な光学設計技術を駆使し、画像や映像を表示する新概念のディスプレイ。ガラス面や曲面に貼り付けることが可能で、多様な場所に広告やメディアアートなど映像コンテンツを配信ができる。一般業種から特に引き合いが強く、現在進行形で導入が進んでいるという。もちろんホールからの問い合わせも増えているとのことだ。
また、『太陽光自動追尾架台』についても大きな案件が控えているという。「来春にベトナムへの導入案件が決定しました。これを機に、積極的に海外展開していきたいです」と大志を抱く。

脱・業界依存でビジネスを見出す

昨年は例に漏れず、新型コロナの影響で廃業危機に直面した。だが、自身の信条である「諦めない」の精神で乗り切り、先述のように業績は再び軌道に乗り始めた。
そんな同社の経営方針は“常に新商品を開発していく”こと。そのために心掛けていることがある。それは、「業界に依存しない」ことだ。「積極的に業界外に出て、様々な勉強会やセミナーに足を運んでいます。様々な分野の人に会うことで、刺激やアイデアを得ることができ、新たなビジネスに繋がる出会いがあります。フィルムサイネージや太陽光自動追尾架台も、そうした出会いから生まれた製品です。これも私にとっては重要な営業の一つです」。
常に新しいものを追い求めるがあまり、数多くの失敗も重ねてきた。製品化に至らなかったもの、業績が芳しくなかったもの、時代の流れに飲み込まれ廃れてしまったものなど様々だ。それでも、今泉社長の進取果敢な気性が、アクシアをここまで大きく成長させたのは間違いない。

『太陽光自動追尾架台』は太陽の動きに合わせて発電パネルを可動させることが可能。
発電量は固定型と比べ40%増を実現している。

「薄い・軽い・曲がる」が特徴の透明フレキシブルフィルムとLEDを組み合わせた新概念のディスプレイ。
美麗な映像を映し出し、見る者を魅了する。

成し遂げたい夢は「上場」「百名山制覇」

最後に、今泉社長にアクシアとして、また個人としての夢を訊いてみると、自身の自慢だという大きな声で「上場」と「百名山制覇」と答えてくれた。
「会社としては『上場』を目指していきたいです。私がこうした夢を持っているだけでも、社員の仕事に対するモチベーションにも大きく関わってくるので、言い続けていきたいと思います」。「百名山制覇」は、趣味とする登山から掲げた。登山歴はまだ2年というが、既に百名山のうち4分の1にあたる25峰は制覇している。「私にとって登山は趣味としてだけではなく、頭をリセットする時間としても重宝しています」。
快活な今泉社長のもとアクシアは今後、『フィルムLED』の普及と、『太陽光自動追尾架台』の海外展開にむけ、日々の営業活動に邁進していく。

株式会社アクシア
東京都台東区東上野2-21-13 UTビル6F
設立/2007年5月 従業員/12人(2021年現在)

LED照明、デジタルサイネージ、追尾式太陽光発電システムなどの開発・販売事業を展開。直近では海外での案件も決定し、今後は積極的に海外展開も見据えている。アクシアは、ギリシャ語で「価値」を表し、社名には「価値ある商品を」という想いが込められている。

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(提供:月刊グリーンべると)

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