ホールの設置台数「パチンコ増台、パチスロ減台」傾向に
シーズリサーチは1月14日、パチンコ景気動向指数(DI)の第83回調査結果を発表した。調査期間は2020年12月10日~24日で、全国73企業、106地域(複数の地域にまたがり事業展開する企業があるため、地域数は重複あり)が回答。「今後3ヵ月間の営業施策」として、「拡大よりも縮小」、「パチンコは増台、パチスロは減台」の傾向がうかがわれることを明らかにした。
「今後3ヵ月間の営業施策」として質問したのは「事業規模」「設置台数」「遊技機購入費」「販売管理費」「遊技以外の事業」の5項目。
「事業規模」は「拡大」「変わらず」「縮小」「わからない」のうち、「変わらず」が最も高く65.8%。続いて、「縮小」が20.5%、「拡大」が4.1%で、拡大から縮小を差し引くと▲16.4ポイントとなり、縮小する傾向がみられた。
「設置台数」はパチンコ、パチスロそれぞれにおいて「増台」「変わらず」「減台」「わからない」のどれを選ぶか質問したところ、パチンコは「増台」が15.1%、「減台」が9.6%となり、増減差(増台-減台)は+5.5ポイント。パチスロは「増台」が5.5%、「減台」が27.4%となり、増減差は▲21.9ポイントとなった。
「遊技機購入費」はパチンコ新台、パチスロ新台、パチンコ中古機、パチスロ中古機のそれぞれにおいて「増やす」「変わらず」「減らす」「わからない」のどれを選ぶか質問。パチンコ新台は「増やす」が24.7%、「減らす」が35.6%で、増減差は▲10.9ポイント、パチスロ新台は「増やす」が13.7%、「減らす」が49.3%で、増減差は▲35.6ポイントとなった。
一方、中古機をみると、パチンコは「増やす」が30.1%、「減らす」が6.8%で、増減差は+23.3ポイント、パチスロは「増やす」が23.3%、「減らす」が9.6%で、増減差は+13.7ポイント。「遊技機購入費は新台を減らし、中古機を増やす」傾向がうかがわれる結果となった。
「販売管理費」は「広告宣伝費」(折込チラシ、DMなど)、「販売促進費」(外注など)、「固定費」(保険料、家賃など)、「人材確保・教育訓練」、「設備機器投資➀」(OA機器など)、「設備機器投資➁」(各台計数機など)のすべての項目において、「増やす」よりも「減らす」とした事業者数比率が高かった。
「遊技以外の事業」は「変わらず」が最も高くて34.2%。「拡大」(15.1%)と「縮小」(12.3%)の増減差は+2.8ポイントで、やや拡大の傾向がみえるとしている。
そのほか、「事業規模別の全般的業況」は、全事業者が悪化。3ヵ月後はすべての事業者が回復基調にあるとみているが、厳しい見通しに変わりはないとした。「企業金融」も「資金繰り」「貸出態度」「借入金利」のすべての項目で悪化。資金繰りはマイナスに転じた。
自由回答では「新型コロナの影響」に関して、「12月に入ってから新型コロナの影響が再びみられる。稼働は前年よりも約1割下がっているが、どうしようもないので我慢の時だ」(中国・大規模事業者)、「来店客数が減り、まだ戻らない。特に主力の1円(パチンコ)の高齢層の戻りが悪く、冬場の繁忙期も期待できない」(東北・小規模事業者)などの声が寄せられた。
「旧基準機撤去と遊技機について」は「1月11日の旧規則機撤去を境に市場に変化があると思う。その変化に遅れることなく、一歩前に出たい」(中部・中規模事業者)、「『沖ドキ!』の撤去期限後の営業に不安を感じる」(関東・大規模事業者)などの声が寄せられた。
「2021年の展望」に関しては、「豊富な資金力に依拠し、シェア拡大に経営判断の舵を切れる企業が市場を侵食し、M&Aが加速するだろう」(関東・大規模事業者)、「残存者の利益を信じ、パチンコ店経営に注力するが、それ以外の事業も視野に入れる」(中国・中規模事業者)などの声が寄せられた。
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